FC2ブログ

そろばんの話


 
 アタシが合格して一番嬉しかった試験が、日商珠算検定2級でした。その時のお話。



 待望の習い事

 アタシが通っていた小学校では、クラスメイトのほとんどが何かしらの習い事をしていました。
 一番人気は習字。「アタシ習い事してるよ」ってコのほとんどが習字でした。3年生以上になるとそろばんが一気に増えます。田舎の小さいそろばん教室ではかけ算九九のわからないコは断っていたためです。
 中流階級以上だとそれにピアノかエレクトーンが加わり、上流階級だと英会話とかバレエとかバイオリン、ってのがデフォでした。

 アタシは2年生まで何も習ってなかったので、学校が終わったら毎日が自由時間でした。
 けれど放課後友達と遊ぼうと思っても「今日は習字があるから遊べないんだ」と断られることもあり、アタシと同じように毎日がエブリデイなのは絶対一緒に遊びたくないような乱暴者ばかり。
 こんなコたちと一緒にされるのがイヤだったので、何でもいいから習い事をしたいと思っていました。

 ウチのトーチャンは教育熱心でしたが、それだけに役に立たない習い事はするなと言って、なかなか習い事をさせてくれませんでした。
 ですが、「そろばんなら頭が良くなるから通ってもいいぞ」と言われ、3年生になってやっと、毎日がエブリデイの乱暴者からの誘いを、そろばんを理由に断ることができるようになりました。



 1級取るまでやめるな

 そろばんを習うことになり、カーチャンには「1級取るまではやめさせないよ」と言われました。
 カーチャンが子どもの頃、近所にノブ子といういけすかないコがいた。ノブ子はそろばん1級を持っている。だからノブ子に追いつけ、できたら追い越せ、というのがカーチャンの言い分です。
 アタシの知らない誰かを、しかもカーチャンと同じ年のおばちゃんをライバルにしろと言われても困るのですが、当時は1級がどのくらいのレベルかわからないのでそれで納得しました。

 今なら言えます。そんな約束しなきゃ良かったと。ノブ子がムカつくんだったらカーチャンがそろばん1級取れと。



 そろばんつまんない!

 はじめのうちは、「そろばん楽しいよ。仲良しのリエちゃんもいるし、他の学校のコとも友達になれたし」だったのですが、同学年のコがひとり、またひとりと脱落して、リエちゃんも来なくなった4年生あたりから、だんだん楽しくなくなってきました。
 また、その頃に引っ越しをしたので、今まで徒歩5分の教室が30分になり、なおさらおっくうになりました。

 さらにカーチャンに「サッちゃんはもう暗算ができるのに、アンタはなんでできないの?」とか言われます。
 これ、アタシの右脳が働いてないのも原因だけど、ウチの教室は暗算は教えてくれないんだよ。サッちゃんの教室は穴のあいたカードみたいなのを使って暗算の練習をするけどこっちにはないもん。

 ただでさえイヤイヤ行ってるところを、他人と比べられてけなされるのですから、ますますそろばん嫌いになりました。



 2級取ったらやめる!

 アタシと同じ時期に習い始めたコたちのほとんどが、5級6級あたりで脱落して、いつのまにかいなくなっていました。脱落せずに残ったコたちも、3級を取ると全員やめてしまいました。残っているのはみんな下級生ばかりで、5年生のアタシがいちばんお姉さんになってしまいました。

 そろばん嫌いに寂しさも加わり、ついにカーチャンに「2級取ったらやめていいか?」と聞きました。カーチャンもアタシのそろばん行きたくない病には手を焼いてましたし、意外とあっさりOKしてくれました。ノブ子さんのことはきれいさっぱり忘れているようです。
 
 そうなると、あとは2級を取るまでです。
 先生は日商連の人でしたが、3級以上の受験者には全珠連の試験を勧めていました。
 ですが、アタシは全珠連3級に2回落ちて、3回目に受けた日商連でようやく受かったといういきさつがあります。なので2級も日商連を受けることにしました。

 それからは、あともう少しの辛抱だからと、サボりがちだった教室にマジメに通い、家でも練習しました。やめるために勉強しているとか本末転倒もいいとこです。

 こうして6年生で、やっと2級を取ってそろばんをやめることができました。
 3級合格の時は、先生に「2級もがんばろう」と言われましたが、この時は「1級はどうする?」だったので、この教室で1級取った人はほとんどいないんだろうな~。



 本気のそろばん教室

 先述の暗算のできるサッちゃんが通っていたのは、週4回通う本気のそろばん教室でした。
 校区外なのでウチの学校から通っているコは同じ学年に3人くらいしかいなかったのですが、そこに通っているコはみんな小学生で段位持ちでした。
 それだけでもスゴいのですが、みんなそろばんが楽しくてしかたない、ってカンジでした。アタシなんて週3回徒歩30分の教室に行くだけでおっくうなのに、週4回も校区外の教室に行って、それが楽しいって言ってるんだから、いったいどんな教室なんでしょう?

 通いたいとは思いませんでしたが、本気の教室がどうやってそろばんの楽しさを教えているのか、今でもかなり興味があります。



↓そろばんを習っていた方も、そうじゃない方も、ポチッとお願いします。
にほんブログ村 資格ブログ スキルアップへ
にほんブログ村

漢字検定の話


 20160609_01.jpg
 そのコとはデブどうし仲良しでした。



 おこづかいが消える!?

 アタシが今まででいちばん勉強したのは、高校や大学の入試でもなく、入社試験でもなく、漢字検定2級を受けた高校3年生の時でした。
 ウチのトーチャンは資格はいっぱいとりなさいというのが口癖だったので、学校であっせんしてくれる試験はたいがい受けていました。当時まだマイナーだった漢字検定でもどうぞどうぞ受けなさい受けなさいでした。

 ですがカーチャンは、やれ学校で模試がある試験があると言ってお金をかけてるのにたいして勉強してないアタシにイラついていました。で、こう言いました。
「漢字検定?受けてもいいけど落ちたら受験料こづかいからさっ引くからね」

 アタシのおこづかいは月5000円でした。当時漢検2級の受験料は4000円でした。月1000円ではマンガ部の月例カラオケ大会にも出られません。これはまずいことになりました。何としてでも合格しなければなりません。



 おさがりのテキスト

 漢検3級の時は国語の先生がくれたプリントだけで合格できましたが、2級はそれだけでは不十分だから自分でテキストを買ってねと言われました。
 そろばんやエレクトーンの試験では教室で買ったテキスト、漢検3級と英検3級も先生のプリントで勉強するのが当たり前だったので、自分でテキストを買って勉強をするというのは初めてでした。というか検定を受けるためにテキストを買うということを知りませんでした。それまで先生にオンブにダッコで自主性のカケラもなかったかよくわかりますね。

 さておこづかいもピンチなのでカーチャンに書籍代を出してもらえるか交渉したのですが、そこでラッキーなことがありました。
 その時来ていた幼なじみのアサカちゃんのママが「2級のテキストならアサカが買ったのがあるわ。全然勉強してないからキレイだし、おさがりで良ければあげるよ」と言ってくれました。
 アサカちゃんも「ワタシは挫折したから、その雪辱をトモちゃんに託すぜ!」と快く譲ってくれました。彼女のママが言ったとおり、開いた形跡さえないキレイなテキストでした。勉強しようよアサカちゃん……。



 ひたすら勉強

 かくしてタダでテキストをゲットし、おこづかいのためにカラオケ大会のために勉強を始めました。
 読み書きはわりとラクだったのですが、部首と四字熟語はかなり苦労しました。単語カードを作って学校の休み時間も読んでましたし、部室でもヒマそうな下級生を捕まえてテキストを渡し「ここから問題出して」と巻き込んでいました。ひでえ先輩ですね、アタシは。

 周りの助けもあって、過去問もあらかた解けるようになり、アタシは勝ちを確信しました。
 これならおこづかいは無事だ。カラオケ大会も行ける!



 泣きそうになった試験

 こうしてついに試験を迎えたのですが、なんということでしょう! 今まで勉強した四字熟語で出題されたのは「天衣無縫」のみ。あとは全然知らない言葉ばかりです。
 問題の形式は確か、ひらがなの選択肢を選んで、それを漢字に直して四字熟語を完成させる、だったと思いますが、選ぶ選択肢も当てずっぽうなら直す漢字も当てずっぽう。泣きそうになりました。
 しかも書き取りでは「靴を"履く"というボーナス問題でさえド忘れするしまつ。前日までの自信はどこへやら、すっかり意気消沈しました。あ、意気消沈も四字熟語だ。

 帰り道はおこづかいのことばかりを考えていました。でもトーチャンとカーチャンはよく言っていました。「一生懸命がんばって成績が悪いのは怒らないよ」と。今回は一生懸命勉強しましたから、きっとおこづかいはそのままにしてくれるでしょう。

 家に帰って「カーチャン、一生懸命やったけどダメだったわ」と4000円差し出しました。
 期待したアタシがバカでした。カーチャンはその4000円を「儲かった儲かった!」と自分のサイフに入れました。大人の言うことなんて信用してはいけないと学んだ瞬間でした。



 まさかの合格

 その月はカラオケ大会にも行けず、毎月部室で食べるおやつも買えず、かなり切なかったです。でもファミ通は買ってました。ボロは着てても心はゲーマーです。余談ですが当時の将来の夢はアスキーに入社してスタパ斎藤の弟子になることでした。我ながらイイ夢を持っていたと思います。

 ところが試験後2ヶ月くらい経ったところで、担任の先生が合格証書をくれました。





 マジっすか!?




 「トモコさん、かなり前に結果レポートあげたしょや」


 記憶にございません!


 「……まあいいや。とりあえず合格おめでとう」


 その日は授業が終わったら、部活にも出ずに速攻で家に帰り、ただいまの代わりにこう言いました。





 4000円返せ!



 今も残る謎

 アタシがいくら記憶力のあやしいヤツだといっても、先生にレポートまでもらって合格を知らされたのを覚えてないわけがない。先生は勘違いしていると、今でも信じています。

 考えられるのは、隣のクラスにアタシと似たような巨体のメガネがいたので、そのコと間違えた説。先生たちには本当にしょっちゅう間違われました。

 だけど担任が自分の受け持ちの生徒と隣のクラスのコを間違えるでしょうか? それに彼女はその時漢検を受けてませんでしたから、すぐに間違いに気づくでしょう。

 アタシがもらうはずだったレポートは誰が持っていったのでしょうか。あの時泣きそうになった四字熟語の点数はどれくらいだったのか、真相は闇の中です。



↓おこづかいが足りなかった方も、そうじゃない方も、ポチッとお願いします。
にほんブログ村 資格ブログ スキルアップへ
にほんブログ村